[Japanese Only]【多様性がつくる新しい未来】vol.1 「風の時代、多様性という価値観はどう変わっていくのか?」〜後編〜

〈今回のゲスト:ジュエリーブランド『HASUNA』代表・白木夏子さん〉

MUKOOMIのテーマでもある〝多様性〟。 性別・年齢・国籍・価値観など異なる〝個〟を認め共存し、社会に貢献していくこと。そんな多様性を認め合う社会を目指すために活動・発信している方をゲストに招き、その必要性や未来を変えていくためのアクション、目指していることをMUKOOMI代表・吉川プリアンカと語り合う連載です。

今回のゲストは前回に引き続き、2008年に人や社会、環境に配慮したエシカルジュエリーブランド『HASUNA(ハスナ)』を立ち上げ、社会起業家としても知られる白木夏子さんです。

前編はこちら

 

「自分の幸せとは何か」を問い直すことが必要

-----前回の対談では、多様性の時代といわれながら、今もなおある問題についてお話いただきました。さまざまな問題がある中、どうすれば相互理解はもっと深まっていくと思いますか?

白木夏子(以下白木):もちろんこういった発信を積極的にしていくこともひとつなのですが、自分のアイデンティティーについて、プリアンカさんのように一度深く考えるということはみんな必要なんじゃないでしょうか。

以前、イスラエルを訪れる機会が数回あったんですが、それこそユダヤ人って差別をされてきた歴史がある人種じゃないですか。でも、イエスラエルでは誰と会っても自信に満ちあふれていて、幸せそうにしていたんです。それで、イスラエルで活躍するアーティストの方に理由を聞いてみたんです。

 

白木さんがイスラエルで出会った女性達。

彼女がいうには、イスラエルって移民の歴史があるので、他の国から戻ってきた人達はイタリア系やアメリカ系、カナダ系、ロシア系……とバッググラウンドがみんな違う。だから小さい頃から「自分のアイデンティティーとは?」「自分の幸せとは?」ということを徹底してディスカッションするらしいんです。


そういった議論をする機会や、内観する時間が日本では少ないのかもしれないですね。自分を知ることは、他者との違いを認めることにもつながるんじゃないでしょうか。

吉川プリアンカ(以下吉川):たしかに、私がミス・ワールドに出場した時も、イスラエルの代表の子が私の前にいたんです。その子がとにかく自信に満ちていて、キラキラしていたんですよ。本当にキレイで。内面の強さ、美しさが滲みでていたんだと思います。

 

2016年ミス・ワールド・ジャパン出場時のプリアンカ。日本代表に選ばれ、世界コンテストへ。

人のいいところを見て学ぶということは良いことだと思うんです。でも、人と比べて「自分は劣っている」と思ったり、優劣を付ける必要はないですよね。
あと、自信がないならないで、そんな自分も受け入れることも大事だと思います。
私も自信があるフリを昔はしていたんですが、「私は自信がないんだ」ということを認めてから、とても楽になりました。

常識を「手放す」ことで、新しい世界に

------昨年末から風の時代に突入したわけですが、今までの常識や価値観が変わり、個性や自由で縛られない発想、多様性が重視されるといわれていますね。

吉川:風の時代になって急に変わる、ということはないとは思いますが、今までスピリチュアルに関心がなかった経営者でさえ、「風の時代だから…」という発言をしていますよね(笑)。

でもそんな話をみんなですることで、多様性について考えるきっかけになると思うんです。それにより何かを変えようとする後押しにはなるはず。

白木:そうですね。風の時代は、いかに今までの常識や価値観、先入観を手放していくか、ということが大きなテーマだと思っています。

「こうでなければならない」というステレオタイプをなくしていくかというところは、大切になっていきそうですよね。

吉川:「風の時代はこうなる」というリストに書いてあることを見ると、今まで自分が持つ価値観と同じようなことが、たくさん書いてあったんです。

だから今まで理解されなかったのかなと思うと腑に落ちました。今までマイノリティと言われてきたことが、マジョリティになってきそうですよね。白木さんがおっしゃったように、いろんなものを手放して、もっと柔軟な考えを持っている人、変化を受け入れていける人が地球のリズムに乗って生きていけるのかなと思います。

------お二人が今後、挑戦していきたいことはありますか?

吉川:MUKOOMIでの活動では引き続きコミュニティは大きくしていきたいです。個人の部分としては、私も今までそういった自由や〝個〟を大切にしてきたつもりですが、そうはいっても大人になって凝り固まった概念もあると感じていて。

それを手放す作業はこれからもっと必要なのかもしれないです。昨年末から「瞑想欲」も沸いてきて。自分自身を整えることで、本心が求めているものを見つめ直していきたい。

白木:私も個人においてのライフスタイルは変化しつつあります。昨年の秋に鎌倉へ引っ越したんです。それまでずっと都心に住んでいたんですが、ビジネスをやっている限り、「都心に住んでいなければならない」という価値観を手放しました。

これからはもっと自然と共生していきたいなって。自分は地球の一部であり、地球人でもある。〝地球益〟をちゃんと考えて行動できる人間でありたいと思っています。

 

鎌倉の湖畔にて(白木さん撮影)。天気が良い日はピクニックをしたり、自然を満喫しているそう。

 

吉川:自然に触れることは、大切ですよね。私もまあまあ都会のど真ん中に住んでいるので……。でも、私にとって「共感」が一番ときめく成分なんです。活動の場は違くても、今回はコアの部分が同じ方と一緒にお話ができて、とてもハッピーな気持ちになりましたし、活力になりました!

白木:こちらこそ、とても感動しながらお話を聞いていました。個人的なことですが、8歳になる娘も、プリアンカさんみたいに育ってほしいなぁと思いながらお話していました(笑)。

娘には、そういった多様性などのメッセージが込められた絵本を読ませたりもするんです。国のボーダーや宗教、文化を越えていける人がもっと増えていくといいですね。ありがとうございました。

吉川:ありがとうございました!

NATSUKO SHIRAKIInstagram@natsukoshiraki

ジュエリーブランド『HASUNA』代表取締役社長。鹿児島県生まれ、愛知県育ち。2002年より英ロンドン大学キングスカレッジにて発展途上国の開発について学ぶ。卒業後、投資ファンド事業会社に勤務した後、2009年にHASUNAを設立。人と社会と自然環境に配慮したエシカルジュエリーブランド事業を展開。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2011」キャリアクリエイト部門受賞。2011年、世界経済フォーラム(ダボス会議)が選ぶ日本の若手リーダー30人に選出。2012年、ロシアAPEC日本代表団として「女性と経済フォーラム」に参加。2013年、世界経済フォーラム年次総会に出席。著書に『世界と、いっしょに輝く エシカルジュエリーブランドHASUNAの仕事』(ナナロク社)、『自分のために生きる勇気』(ダイヤモンド社)など。女性の働き方や起業、ブランディング、サスティナビリティ、ウェルビーイング、SDGs等をテーマに国内外で講演活動も行っている。


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